小説版3巻
「まだまだ楽しませてもらうつもりだ。尻尾に食らいついてでも、ついていくからな」
猫と並んで歩き出しながら、アルフレッドはその言葉に笑みを漏らす。
「姉さんに尻尾はないよ」
「今後も常に無いままだと、そう言い切れるか?」
--16ページ目、ダンジョン内で先行しようとするマヤに対してシェイディ
(ちょっとした冗談なのだろうが、魔族化した連中がいるから微妙に笑えないという)
「そしてまたあるときは、呪文と杖の一振りで、どんな夢でもかなえちゃう、ステキで無敵なエレニアックの魔女ッ子マヤちゃん!」
--28ページ目、ヴァージニア一行の前で変身してみせるマヤ
(魔女ッ子(21歳)。魔女ッ子になる前のターザン娘になった際に鼻の下を伸ばすギャロウズがいたけど気のせい)
そう。ユグドラシルを離れ、ヴァージニアの体調が回復した後、いろいろあってヴァージニアたちは、
ロンバルディアというドラゴン最後の生き残りと、とんでもないことに仲良くなり、そのロンバルディアに
乗せてもらって世界を旅するようになっていた。
--32ページ目、マヤからドラゴンで旅する渡り鳥のどこが普通なのかとつっこまれて
(尺の都合のせいとはいえぞんざいな扱いなドラゴン。いろいろあって、て…)
「エレニアックの魔女ッ子は、故郷の友達が持ってたから、借りて読んだもの!
一度しか読んでないけど、そんな呪文出てこなかった!コスチュームだって違うし、
とにかく全然似合ってない!少なくとも大人がエレニアックの魔女ッ子を名乗るのは、絶対変よ!」
--34ページ目、ヴァージニアの正直な発言
(ちなみに本来正しい表記はエレニアックの魔女『っ』子。何故か小説では『ッ』になっている。
『ッ!』をあまり使わない割に変なこだわりがあるのか)
「トッドはアタシの力のこと、異能だの特異体質だの言ってるけど、こんなの誰にだってある力よ。もちろん
アタシの場合は、生れついて特別豊かな才能があったんだろうし、それを磨きに磨き抜いて、神業と呼べるまでに
なっているわよ。でも誰だって、向上心さえあれば、なんにだってなれるはず。あとはどこに自分の理想を持っていくかよ。
ただ最初からあきらめていたり、さして理想を実現しないうちにやめてしまったり、あるいはとても変化が
ゆっくりしているだけのこと。そんなことはできっこない、そんなふうになれっこない、そう思ってたら、なんだって
できるわけないじゃない。
私は、本の登場人物に憧れたし、憧れの対象を一つに絞るなんできないわ。なら、なんにだって、なればいい。
どんな夢でも、叶えてみせる」
--48ページ目、変身に対してマヤの考え
(彼女の強さがよくわかる台詞。後半一人称がアタシから私になっているのはただのミスか、マヤがヴァージニアに対して素を出してしまっているのか)
『おい。大丈夫か?』
--66ページ目、崩落したダンジョンの入り口にてロンバルディア
(なんか普通に心配してくれるロンバルディアさん)
「へいき!へっちゃら!」とヴァージニアが笑う。
うんざりした顔で、「何を喜んでやがる」と、ジェットが呟く。
--95ージ目、デウスエクスマキナ突入前のロンバルディア体内にて
(へいきへっちゃらノルマ達成。そしてうんざりと口には出してくれないジェット。というか3巻では一度しか言ってくれない。
これも心境の変化か)
自我が魔化された肉体を維持できなくなり、ヴァージニアたちの攻撃に晒されるままに壊れ、
異常再生によって作られた、何の役にも立たない細胞塊は、正常な細胞をも喰らって増殖しつつ自滅して、
あっというまにリヒャルトは崩れ落ち、床はシチュー鍋をひっくり返したようなありさまとなる。
ヴァージニアたちも、何が起きたかわからずに、その残骸がまた動き出すのではないかとでもいうように、
睨みつけながら全弾撃ち込み、アルカナで焼く。
--123ページ目、デウスエクスマキナにてリヒャルトの最後
(この後その姿をみたアースガルズはショックを受けて、限界を超えた力を出すもののウェルナーと対消滅する。
ちなみにこの時点で、マリクとミレディは一行と戦うことなくベアトリーチェの言葉で自我崩壊している悲しさ)
「アナタたち、涙のかけらを持ち帰るのが仕事でしょ!」
「え?これ?いつのまに?どこにあったの?」
「そこにあったのよ!確かにこれは宝石じゃなくって、エネルギーの結晶体みたいだから、アタシはいらない。ここを浮かせる
動力源に使ってたらしいわ」
「エーッ!」
「そんなもんを、取るんじゃない!」
大声を張り上げるギャロウズに向かって、マヤはさらなる大声を張り上げる。
--126ページ目、デウスエクスマキナにて涙のかけらを取ったからここはもう地面に激突すると告げるマヤ
(ゲームではジークフリードが回復に使っていた涙のかけらを普通に持ってくるマヤ。この時ジークは
ワイバーンを操って外のロンバルディアと遊んでいたという。えぇ…)
マヤは、輝くドラグフォーンを抱えたまま、ドラゴンを退治しようとする騎士のように、ジークフリードに向かって
突っ込んでいった。
--130ページ目、デウスエクスマキナにおいてジークの最後
(ヴァージニア達と対峙すらせずマヤの手でケリを付けられる残念な扱いを受けるとは)
「生贄の祭壇は、世界に危機が訪れた時、神官が命を捧げてそれを回避するための場所と伝承にはある。
十年前、草原が荒野へと海が砂海へと変った時、お主らの両親はそこで命を捨てたのだ。
だが、世界を救うことなどできなんだ」
--138ページ目、バスカーコロニーにてハルの口からギャロウズが覚えていなかった両親について語られる
『ヒトは誰でも、誰かの想い出になって消えるのに、私の想い出になって消えるのが、そんなに嫌なの?』
ヴァージニアは全弾撃ち尽くしてから、三度さらに銃爪を引いた。
「誰があなたの想い出なんかに、なるもんですか!そんな、全てのヒトの想い出を、
ヒトが一生懸命に生きてきた想い出を踏みにじるあなたの想い出なんかに!あなただけは許せない!
あなたを倒す!誰の想い出にも残らないように消してみせる!」
『あら、あなたと私は、ちょっと位相がずれているだけなのに、あなたは私の存在も、私の一生懸命も、
認めようとはしないのね。ええ、いいわ。あなたたちと私は、相容れない存在なのよ。でも、どうやって?』
--163ページ目、生贄の祭壇にて対峙するヴァージニアとベアトリーチェ
まるで子供のように、クライヴを駄々をこね、そして最後にポツリと呟く
「……ヴァージニア。僕は家に帰りたい」
--168ページ目、生贄の祭壇にて
(ヒアデスとの繋がりを断ちたくないクライヴが折れる)
「うん。死んだ人を想い過ぎるのも、よくないのかもね。想い出は大切だけど、それはきっと、今を生きるために、
未来へ足を踏み出すために大切なんだよ。想い出のために前に進めなくなっちゃいけないんだ。
エリオットさんみたいに、そしてマリクや、わたしもそう。だからお父さんは、わたしに撃てって言ったんだ。
わたしが立ち止ったりしないために。わたしがマリクみたいになったら、お父さん悲しいだろうな」
--171ページ目、魔界柱にてヴァージニアがジェットにかける言葉
(ギャロウズと違って多少はマザコンの心情も慮っている?)
「俺はヒトより、想い出が少ないんだ。なら想い出を増やすまでだ。お前たちは、特にお前はうるさいが、いっしょにいると
面白い経験ができそうだからな。他にやりたいことが見つかるまで、一緒にやらせてもらうさ」
--174ページ目、魔界柱にてジェット
(マヤに付いていくシェイディのようだ)
こうして彼女たちは、ファルガイアの各地を飛び回って魔界柱を壊して回り、途中はにかみ笑いを浮かべたクライヴが、
頭を掻きながら、「娘の顔をみたとたんに気が変わりました。やはり、ヒアデスよりは娘のための未来ですよね」などと
言って合流した。
ヴァージニアの気楽な予想の通りになったというわけね。
--174ページ目、魔界柱を破壊して回る一行
(ゲームのようにフォローもなく普通に合流するクライヴさん。あと魔界柱も外部からロンバルディアが気楽に破壊してくれる)
『本気で私を殺す気?』
バスカーの大男が吠える。
「シェーンを殺そうとしたヤツを許せるか!」
クライヴが冷たく宣言する。
「娘の未来を奪わせるわけにはいきません」
ジェットが無表情に私を見つめる。
「これ以上うんざりさせられたくないんでね」
そしてヴァージニアが、私を睨みつける。
「ファルガイアに生きるみんなのために!正義のために!私は銃爪を引く!」
--190ページ目、ナイトメアキャッスルにて
(ベアトリーチェが語り部のためか、ギャロウズだけ何故か名前を出してもらえない。そして最後となるジェットのうんざりカウントその21)
私は立ち上がり、姿を小さな子供から、大人の階段を上りかけたくらいの、黒薔薇をあしらった黒いドレスの娘と変える。
これは私の死に装束。私のための喪服。
「私も私の世界のために、あなたたちとあなたたちの世界を滅ぼすわ」
そしてヴァージニアたちに向かって両腕を広げ、死の抱擁を交わす。
一斉に、ヴァージニア、ジェット、ギャロウズ、そしてクライヴの銃が火を吹き、銃弾が私の胸を貫いていく。
私は災厄獣たちが残した力を、彼女たちが背負ってきた守護獣たちにぶつけて相殺する。
そして私は床に倒れる。
私から流れ出す真っ赤な血が、床に大輪の赤い薔薇を描き出す。
それは私への手向けの花
この血が、この死が、私を新たな世界のマザーとする。
--190ページ目、ナイトメアキャッスルにて
(ベアトリーチェのあっけない最後)
「うはぁ!ハルさまがドラゴンの腹から出てきたぞ!」
「ハルさまが、シワシワになってるよぉ!」
「なにをバカげたことを言っておる。ワシはずっと前からシワシワじゃ」
「おお、生贄の祭壇から娘夫婦を連れ帰ったか!」
ギャロウズとシェーンが、顔を見合わせる。
「こりゃ両方とも孫息子じゃ!」
--203ページ目、夢魔の城から帰還後のバスカーコロニーにて
(日常生活に困るほど想い出をなくした模様。シェーンは余程女らしいのだな…)
「畜生!なぜ先に気づかなかった!ラミアムがベアトリーチェと対ならば、なら、夢の城と対になるこの場所に、
ここに俺たちがこなけりゃ、対は完成しなかった!ラミアムも死なずにすんだってことじゃないか!殺したのは俺たちも同然だ!」
--209ページ目、ディステニーアークにてラミアムさんが死んだことに対しギャロウズ
(この後ラストバトルへと続く。
小説ではベアトリーチェの世界でありファルガイアと対に存在していたネガ・ファルガイア内にいる鏡写しのヴァージニア達がラミアムを射殺した。
ヴァージニア達がディステニーアークに来たことで『対』が完成し、
ナイトメアキャッスルのベアトリーチェと同じようにラミアムが撃たれる事で二つのファルガイアが対消滅する事となる。)
「……あと一ヶ月もしないうちに潰れるわよ」
--220ページ目、荒野を進むマヤの一言
(教主殺害の犯人とされたヴァージニア一行を探すために、素性の知れない渡り鳥に前金・無期限・相場の何倍もの報酬を
払っている教団に対して。ただし最初にそう言いくるめたのはマヤ。)
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