アーメンガード

-----11月1日

「11月1日、今日は白骨の日~。

「白い骨を、とあるところに埋めた犬がいた。
 だが彼は誰かに取られないかと心配で心配で、
 埋めた場所を離れることができなかった…

「そして終に、
 彼も骨の横で、白骨になってしまったという。

-----11月2日

「11月2日、今日はプードルの日~。

「この日付がプードルの姿に似ているから
 今日はプードルの日なのだそうだが…
 わたしは杭と白鳥の方が似ていると思うのだ。

-----11月3日

「今日は11月3日、ダンディの日~。
 だったのだが…

「去年までは、
 今日はどんなにキザな言葉を吐いても
 それを聞いた人は笑ってはいけない日だった。

「だが、その快楽を覚えた男たちが
 この日が終わっても、
 キザな言葉を繰り返すようになりましてねぇ…

「なんだか気分が変になる、という
 女たちの訴えで、ダンディの日は
 姿を消してしまったのです。

-----11月4日

「11月4日、今日は風の日~。

「そのうち吹くという滅亡の風の話、
 あれ、信じるか?

「わたしはさ、
 滅亡するかしないかの二通りしかないのなら
 滅亡する可能性は50%だから…

「滅亡しない方に、かけてみたいと
 思っているのだけれども。

-----11月5日

「11月5日、今日はカンナの日~。

「赤い赤いカンナの花で、
 唇を赤く染めようとした少女がいた。
 望み通り唇は赤くなったが…

「それはかぶれて、膨れ上がったからなのだった。

-----11月6日

「11月6日、今日はキッパー(くんせいのさかな)の日~。

「冷凍キッパー貯蔵庫を動かしてるのは、
 雪のガーディアン、アルスレートと
 雷のガーディアン、ヌア・シャックスだ。

「二人は今、それに命を賭けているので召喚できない。
 ちなみにこのコンビ、
 電動ガーディアンと呼ばれると、超(チョー)怒るらしい。

-----11月7日

「11月7日、今日はハーモニカの日~。

「ハーモニカといえば、
 和音が出せるようになれば一人前だそうだな?
 しかしどうやれば和音が出せるのか?

「ハーモニカを縦にあてて、
 口と鼻で吹けば、確かに同時に二つの穴に
 息を吹き込めるが…

-----11月8日

「今日は11月8日、大人の日~。

「大人になるということは、
 何かを諦めていくことだと
 リベラさんは言っていた…

「わたしはアーキラーメターというと
 東方の神話のタイトルのようだと思っていた…

-----11月9日

「11月9日、今日は白シャツの日~。

「最近の流行りのコムサデ処刑は
 タール塗り鳥羽刺しの刑だ。
 ……笑ってはいけない!

「サイケな見かけだけでなく、
 皮膚呼吸ができない、
 恐ろしいわざなのである。

-----11月10日

「今日は11月10日、読書の日~。

「僕と僕、というタイトルの本を買ってきた。
 わたしはてっきり、二重人格の少年の話だと
 思っていたのだが…

「実際はしもべと僕という
 わたしには不適切な内容であったとは、
 こはいかに。

-----11月11日

「今日は11月11日、ゴムひもの日~。

「ゴムひもが発明されるまで、
 人間はすべて、
 紐で括って生きていた。

「年よりたちは『今は良い時代じゃない』というが、
 その生活を考えると、
 わたしは今に生まれてよかったと思うのだ。

-----11月12日

「11月12日、今日はどんぐりの日~。

「今日はヒマだったので、
 どんぐりを背比べしてみた。
 細長いものや太短いものやいろいろあったぞ。

「あれで殆ど違いがない、と言い切れるのならば、
 わたしの学校の背の順も
 あまり意味がない気がするな。

-----11月13日

「11月13日、今日はイースト菌の日~。

「パンを膨らませてくれる、
 良い菌の仕組みが初めて分かったのがこの日。
 愛称は公募の結果、ヒガシ菌となった。

-----11月14日

「今日は11月14日、ブランドの日~。

「ファルガイアで一番有名なブランドはどこだろう?
 そう考えたら、リュックマンの顔が浮かんだ。
 しかしリュックマンはブランドであろうか?

「悩めるオトメなわたしであった…

-----11月15日

「今日は11月15日、のみの市の日~。

「のみの市といえば露店、
 露店といえば、赤いひよこだな。

「どうやって赤くするの?と聞いたら、
 店主は『血にまみれた渡り鳥が輪廻した姿だ』
 って言ったけど、それって子供騙しだよな?

-----11月16日

「今日は11月16日、フトモモの日~。

「フトモモという樹木があるが、
 それではなく、太い腿の日である。
 だが太腿はあまりに高い…

「それゆえフトモモの木をみっしり植えて、
 酒池肉林の園としゃれ込むというのが
 わたしのささやかな希望だったりするのだ。

-----11月17日

「今日は11月17日、列車の日。

「ファルガイア鉄道の駅員さんたちは、
 ぱっと見、良く似た外見をしているな。

「それゆえ、実は5つ子…とか、
 不測の事態があったとき、
 合体し、巨大化して悪と戦う…とか聞くが…

「都市伝説の一種だろうな。

-----11月18日

「11月18日、今日はコートの日~。

「コートの日はコートを買わねばならぬ定め。
 しかしわたしは買ってもらえない。
 お前には肉襦袢があるだろう?と言われてな。

「これって普通、親が言うことか?
 わたしは悲しくなったので、
 これから家出の準備をする、止めないでくれ。

-----11月19日

「11月19日、今日は楽器の日~。

「フェンガロン楽器というブランドがあるな。
 空気の振動をも支配するフェンガロンに
 ちなんでつけられた名前らしいが…

「もし、このブランドの楽器をもっていれば、
 白い虎のマークを確かめてみるとイイ。
 まゆ毛つきだと幸せが来るらしいからな。

-----11月20日

「11月20日、今日はクレーマーの日~。

「クレーマーとは何かわたしは知らないのだが、
 くれいむってのは
 田舎の喫茶店の名前のような響き…

「きっとポエトリーかつ、
 リリカルなこと、なのだろうなぁ…

-----11月21日

「11月21日…
 今日の標語は『死後しばきにあう』だ。

「運命の箱船教団は、
 無料でカレンダーをくれるのだが、
 教団関係の記念日しか書かれていないのだ。

「飾っておくと、わたしはついつい
 教団の記念日を覚えようとしてしまうからな。
 ちょっぴり迷惑かもしれん。

-----11月22日

「今日は11月22日、くらげの日~。

「くらげの日が来れば思い出す。

「子供の頃、海に落ちた。
 気がついたら、くらげの中に入っていた。
 ゼリー寄せになった気分になった…

「というわけで、今日のわたしは
 ぷるぷる感にあふれている。

-----11月23日

「11月23日、今日はいい兄さんの日~。

「いい兄さんとなってもらう日なのか、
 いい兄さんをほめる日なのか。

「かなり長い間、考えている命題なので、
 どちらにしようかな天のガーディアンの言う通り
 ででも決めてみようと思います。

-----11月24日

「11月24日、今日は不死の日~。

「不死に憧れた男が、鉱物に変化した日だ。
 しかしこういう実例があると
 村の外に出かけて適当に腰を下ろすのも…

「もしかしたら、親戚が鉱物に
 なっていたりするものではないだろうか?
 なんて思ったりしてしまうな…

-----11月25日

「今日は11月25日、脳の日~。

「脳の中には、細かな電波が流れているらしい。
 それを集めて発電できないだろうか?
 とわたしは思った。

「そういうわけで柱の周囲をグルグル周り
 タービンと同じ原理の発電法を試してみたが、
 無理だったので切ない気持ちとなりにけり…

-----11月26日

「今日は11月26日、ペンの日~。

「ペンペン草とパンの木は姉妹だったという。
 しかし、ペンペン草にはペン状の物は生らず、
 パンの木はパンと音がするわけではない。

「それゆえ二人は、
 密かに互いを羨んでいたという。

「木や草さえも、無い物ねだりをする…
 いわんや人間をやという教訓の日だ。

-----11月27日

「11月27日、今日はパンダの日~。

「パンダの絵を描いて、戸口にペタリと張っておくと、
 幸運がやってくるといういわれのある日だ。

「しかしパンダを描くときは注意が必要だ。
 なぜならば、うっかり吊り目に描くと
 パンダが恐ろしいお面のような顔になるからだ。

-----11月28日

「今日は11月28日、魔剣の日~。

「魔剣と魔犬が戦って、魔剣が勝った日だ。
 よって今日のNGワードは、
 魔犬には、まけん!だそうだ。

-----11月29日

「今日は11月29日、木の日~。

「アガスティアの木とセフィロトの樹が、
 どちらが偉大かで争った日だ。

「二人(?)は悩んだ末、
 立派なマツタケを生やし、その匂いで、
 渡り鳥を導けた方の勝ちというルールを作った。

「しかし彼らは両方、松ではなかったので、
 がんばって菌を埋めても、
 マツタケは生えてこなかったそうだ。

-----11月30日

「11月30日、今日は世界平和デー。

「世界人類が全てわたしになってしまうといいのに…
 想像(イマジン)してごらん、みんながひねもすのたりのたり、
 記念日を覚える平和な世界を…

「というわけで、今日はわたしは
 そういった薬を作ることに情熱を注ぐ。


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