アーメンガード


-----2月1日

「2月1日、今日はファンの日。

「それにちなんだ豆知識を教えてあげよう…
 まず、ファンの羽に黒と白の格子模様を塗る。
 そして廻すと。赤・青・黄色と美しい色が見える。

「何にでも新しい発見があるものだと、
 髪をファンからの風になびかせ、
 世界を見直すあなたは多分、とても美しい…

-----2月2日

「2月2日、今日は噴水の日~。

「古代に存在した噴水というものは、
 中に肺活量の多い男たちを仕込み、
 合図で一斉に水を吹かせたものと聞く。

「そして金持ちたちは水槽の中のアリの巣観察の如く、
 美しい噴水上部と地下の男たちの眺めを比べ、
 ウフフアハハと楽しんでいたそうだ。

-----2月3日

「2月3日、今日はシトゥルダークの日。

「水瓶には、水亀が彫ってあることが多いな。
 シトゥルダークの守護を狙ってるのか、
 ただのシャレなのか悩むところ…

「ちなみにわたしのうちの水瓶には、
 水がメェという吹き出しをつけた羊の顔が、
 彫ってあるのだ。

-----2月4日

「今日は2月4日、ドラの日なり。

「『ドラを鳴らすとドラゴンがあらわれる』
 ラクシスランドでそう言いふらすウソつきがいた。

「だが、それを本気にした渡り鳥が、
 ドラをゴーンと鳴らしたとき…

「貴方も知っているように、
 そこにはドラゴンがあらわれた。
 それが、何年前かの今日だったのだ…

-----2月5日

「2月5日、今日はカンパスの日。

「素晴らしい絵を描く画家がいた。
 だが彼は、絵を仕上げると、パレットナイフで
 画布(カンパス)を切り裂いてしまう…

「人は皆、彼は完璧主義だから、と噂した。
 だが彼は、画布を破る音が好きなだけだったのだ…

-----2月6日

「2月6日、今日は宿屋の日~。

「宿屋は逆から読んでもヤドヤだ。
 そのため、回文の真ん中部分をになうのに
 最適な単語だと言えよう…

-----2月7日

「今日は2月7日、化粧の日。

「化粧が好きで好きでたまらない男がいた。
 彼の化粧した顔は、
 そんじゃそこらの娘以上だったという。

「彼は自分の化粧技術(メイクテクニック)を試ため、
 好(ス)キものと噂の大公にコナをかけてみた。
 見事にひっかかった大公だったが…

「その晩ビックリすることとなる。
 だが大公、毒をくらわば皿までという決意を固め、
 いわゆる一つのハッピーエンドを手に入れたそうだ。

「そのかわり男のシナリオは、
 バッドエンドだったそうだが…

-----2月8日

「今日は紳士の日である2月8日。

「かっぱ巻きを頭に巻いて食べると
 紳士になれるという噂。
 しかしかっぱ巻きとは何ぞや?

「それを追及することに、今日は命をかけたい。

-----2月9日

「今日は2月9日、オルゴールの日。

「不規則に並んだブツブツが、
 あんなにキレイな音を立てる…

「わたしのそばかすもそのうち、
 あんな繊細で芸術的(アーティスティック)な音を立てるかも
 しれないという希望がわいてまいります。

-----2月10日

「2月10日、今日はお風呂の日~。

「いつだったか、どこだったかの話だが、
 ひよことおふね、どちらを浮かべるかで
 ケンカした姉弟がいたという。

「そして長い年月の後、
 輪廻を繰り返した姉弟は
 ひよことおふねになり、風呂桶の中で再開する…

「運命の不思議さに、
 今日はお風呂記念日となったのであった。

-----2月11日

「2月11日、今日はマッサージマシンの日~。

「ハンフリースピークに住む、
 有閑奥様愛用のマッサージ機にはコードがなかった。
 では何故、あんま器は動いていたのか?

「…中に入った一人の小男が奥様を揉んでいたのだ。
 彼は奥様を愛していたが、
 奥様が死ぬまでその存在を悟らせなかった。

「その純愛をたたえてこの日が造られた。
 ちなみに、マッサージマシンの石像も作られたのだが、
 美観を壊すと言われ、すぐに取り壊されたそうだ。

-----2月12日

「2月12日、今日は鬼教官の日。

「昔、フェンリルナイトという親衛隊に、
 アビ教官という新人教育係がいた。

「彼の指導内容は、
 名前に沿った恐ろしいものだったという。

「名は体をあらわすのもいいが、
 意外性というものも、
 大切にしてほしいと願う心が今日を産んだ。

-----2月13日

「2月13日、今日は煙草の日~。

「おとうさんに手作りの煙草をあげようと思って、
 山野でタバコの葉を摘み、焼いてみて、
 タバコの匂いのするのを持って帰ろうとしたのだ。

「しかし、焼いては火を消し…のタイミングが、
 救難信号ののろしのパターンと似てたようで
 うっかり救助されてしまったのだ…

-----2月14日

「今日は2月14日、歯医者の日~。

「歯医者の日だから歯医者に行こうと
 おかあさんたちはにっこり笑う。
 きっとこれは陰謀に違いあるまい…

「それも惑星規模の恐るべき陰謀だろう…
 …ハッ、わたしは気がついてしまった、
 ヒットマンが消しに来るかもしれない…

「助けてくれーっ!
 そこな渡り鳥ーっ!

-----2月15日

「今日は2月15日、マヨネーズの日~。

「マヨネーズ、それは何にでも合う魔法の食材…
 しかし取りすぎると、
 顔からマヨネーズが出てきてしまう。

「そういえば、額を油田にしているやつに、
 ろくなやつはおらんと、
 死んだひいおじいちゃんも言っておった。

-----2月16日

「2月16日、今日はさいころの日。

「お役目御免になったさいころは、
 上のさいころならば地面に埋めて、
 下のさいころならば屋根に放らねばならぬ…

-----2月17日

「2月17日、今日はふさふさの日。

「ふさふさという言葉を、
 はいよるこんとんに訳して伝えねばならなかった、
 偉大なる飛行機械乗りをたたえて作られた日だ。

「わたしも考えてみたが、
 なかなか、難しいふぃーりんぐなのだよなあ。

-----2月18日

「2月18日、今日は灯りの日~。

「灯りとりの窓を開けておくと、
 群れからはぐれた灯りがやってきて…

「フニクリフニクラフニクリフニクラと
 良い声でさえずる日であります。

-----2月19日

「今日は2月19日、
 武侠小説【剣花煙雨江南】の書かれた日。

「ファンクラブが出来るくらいの超ベストセラーだ、
 名前くらいは知ってるだろう。

「わたしも愛読者ゆえ、ファンクラブに入っている。
 Sの猫というペンネームの会長が、
 いつも熱意ある会誌を送ってくれるのだ。

「彼女に会ってみたい気もするのだが、
 きっといかにも…ってカンジのああいうタイプで、
 幻滅しそうな気もするのだ。

-----2月20日

「2月20日、今日は天気予報の日~。

「というわけで、天気予報の日くらい、
 予報当てろよなーという庶民の怨嗟の声を
 恐れずこの記念日を作った予報官に乾杯だ。

-----2月21日

「今日は菌の日、2月21日。

「思い出します…

「わたしがまだ若く幼児だったころ、
 外から帰ってきて手を洗わないまま、
 ご飯を食べようとしたときのことを…

「怒られたわたしが、
 『フォークがあるからいいモン』と口答えしたら、
 うちのおかあさんは…

「『菌はフォーク伝いにピョピョンと跳ねるのだ』
 って教えてくれたのであります。
 いやあ、菌って本当に凄いですねぇ――ー。

-----2月22日

「2月22日、今日は猫の日~。

「あるところに猫を飼っていた少年がおり、
 彼は己の猫のゴロゴロいう声がダイスキだった。
 だがある日、猫は死んでしまう…

「哀しんだ彼は雷の音を聞いて猫を思い出すが、
 嵐の日、外に出ていたため落雷を受けてしまった。
 …今日は、この切ない物語を記念した日なのです。

「それには関係ないが、
 猫の日と猫の目は字面がよく似ているものですね。

-----2月23日

「2月23日、今日はゴブの日。
 ゴブがゴブゴブ ミゴブゴブ。
 合わせて五分五分 六ゴブゴブである。

「しかし、6匹のゴブに囲まれるのは、
 そのキツイ体臭もあいまって、
 あまりイイ気分ではないと思われるな。

-----2月24日

「今日は2月24日、ナイフの日~。

「たまにはまともに記念日の解説をしよう。
 このナイフとは、小型の刀という意味の他に、
 【ナイスワイフ】【ナイトライフ】の略でもある。

「ナイスワイフはナイフを上手く使う。
 ナイトライフの充実もナイフは使えなくもない。
 そういった意味を込めて、今日はナイフの日なのだ。

-----2月25日

「2月25日、今日はサンテリーヌの日~。

「テリーヌ物語という本が出た日だな。
 それはそれは美味しいテリーヌの作り方が
 満面に載っている本だ。

「何?テリーヌを知らない?
 犬の照り焼き…すなわち照り犬のことだ。
 覚えておくがいい、人の子よ…

-----2月26日

「2月26日、今日は焔(ほのお)の日~。

「マッチ一本カジノ元、これが今日の幸運の言葉。
 なぜならマッチ一本分の金をうまく増やし、
 カジノを作った伝説の男の死んだ日だからだ…

-----2月27日

「2月27日、
 今日は爪磨きの日~。

「爪を磨くのは女の子と猫のたしなみ。
 それゆえ、爪を磨くものは女の子か猫である。

「ペグッチ伯爵は、爪を磨いているが、女の子ではない。
 すなわち彼は、猫であると言える。

「ベン図を描いてみると、分かりやすいな。

-----2月28日

「2月28日、今日は微笑みの日~。

「笑う門にはチャパパンガが来(きた)る、
 死んだひいおじいちゃんも言っておりました。

「そういうわけで、わたしは今日、
 朝からニコニコしてみているのだけれども…

「なんだか皆、終に来るものが来たかという
 視線でわたしを見ていくのだ…
 まったく持って、失礼きわまりない。


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