アーメンガード
-----1月1日
「ハッピーニューイヤ~★
子供にお金をやる日という奴だ。
「あなたはもらう方・もらわない方?
わたしは係累がいないのであげなくてすみますが、
頂くこともできぬようだよ、ヨヨヨのヨ…
-----1月2日
「1月2日、
今日は全てのものを初める日~。
「なんの技でも、今日はじめると
上達するらしいですぞ。
わたしは指パッチン初めをすることにしました。
-----1月3日
「1月3日、
今日は似ているようで似てない言葉の日。
「豆知識と知恵袋はちょっと意味が違う。
訛りと方言も微妙(ビミョー)に異なるな…
萩と荻も別物だ。
「それにしても、こうして考えを深めていくと、
初めの方に思いついたものが、
どこかに行ってしまうのは悲しいものだな。
-----1月4日
「1月4日、今日はエルゥの日。
「先住民族エルゥを保護し、
大切にしたりうわやったりしようという日だ。
「…あれ?
うわマッタリ…うまやったり…
……ゴホン、うやまったりしようという日だ。
-----1月5日
「1月5日、今日は居眠りの日~。
「居眠りをすると、船をこぐ状態というか…
首をこっくりこっくりやることになるな?
「あの様子は、縁起ものであるハリコの虎と
よく似ているため、
まだ新年気分の今日は許されるのであ~る。
-----1月6日
「1月6日、今日はアボガドの日だ。
「アボガドのざらざらした表面と、
わたしの肌はよく似ているな。
「それゆえわたしは、
替え玉を作る必要に迫られた場合に備え、
ふだんからアボガドの皮を集めているのだ。
-----1月7日
「1月7日、今日は雑穀パンの日。
「今日、七つの雑穀を混ぜたパンを食べると、
身体が丈夫になるらしい。
「しかしパンが固くて歯が欠けたとか、
丈夫になりすぎ、巨大ロボになってしまった…
という子供の話も聞いたことがある。
「そういう話を聞くと怖じ気るが、
それは自分達でパンを食いきりたいという、
オトナの汚い陰謀なのかも知れぬと思うと…
「心は迷うばかりだったりするのである。
-----1月8日
「1月8日、今日は水色の日~。
「水色のものをつけていると、
それをあてにチャパパンガがやってくる日だ。
「ところで水色を好むといえば、カエル。
チャパパンガとカエルの目の作りは、
似ているのやもしれぬ。
「そういえば、財布の中にいれておくと、
幸運が来るものも【カエル】だな?
-----1月9日
「今日は1月9日、堕天使の日~。
「ところで堕天使って、
言葉の響きはタンビだけれど、
羽根がなくなったら天使じゃないと思うのだ。
「【元エライ人】の肩書きを振りかざすのは、
老人の間でも嫌われるって、
うちのひいおじいちゃんも言っていたのだが…
-----1月10日
「1月10日、今日はしりとりの日~。
「世の中のものはすべて、
勝ち組と負け組に分けられると
昔ある渡り鳥に聞いたことがあるが…
「その理論で行くならば、
しり取るものは勝ち組で、
しり取られたものは負け組なのだろうか。
-----1月11日
「1月11日、今日は泥船の日。
「泥船に乗って沈むのが好きな人がいた。
彼はなぜか、己の泥船を、
タイムマシンと名づけていた。
「そしてある日のこと、彼は沈んだまま、
二度と浮かんではこなかった…
「その泥船は、
生まれる前の状態にもどれる、という意味で、
タイムマシンだったのだろうか?
-----1月12日
「今日は1月12日、はいよるこんとんの日~。
「ファーストコンタクトが行なわれた日なのだが、
いかんせんはいよるこんとんは…
……ッ!!!
「頭が、頭が割れるゥゥ…!!!
-----1月13日
「1月13日、今日は白い腿肉の日~。
「即ち豚か鳥の腿を食べる日である。
宣伝では、食べると足が白くなれるというご高説。
しかし肉は足を太くもするのだ…
「悩むわたしの横顔を見よ。
-----1月14日
「1月14日、今日は太陽の日~。
「冬至も過ぎた光の守護獣ステア・ロウが、
元気を取り戻したのを共に喜ぶ日だ。
「そういえば去年のこの日、
ステア・ロウをもっと喜ばせようと、
母のパンツを洗って干しておいたら…
「夢枕に立った彼に、
6年後の君のがいいとか言われてしまった。
「紳士のたしなみがなってないと思うのだが、
どうか!?
-----1月15日
「1月15日、今日は星人の日。
「このファルガイアには、
密かに外宇宙からきた、
いわゆる異星人がかなりの数いるらしい。
「その中には、己が異星人であることに
気がつかぬまま日々を送るものもいると聞く。
「…だが、本当は異星人だったものたちは
この日未確認飛行物体にさらわれ
星人の儀式を受けると本に書いてあった。
-----1月16日
「今日は1月16日、口応えの日。
「何者だ!
と言われたら、慌てず騒がず
只者です。と答えた曲者の日だ。
-----1月17日
「今日は1月17日、型の日。
「バター型のうしろには、いちご(ベリー)が彫られているな。
そういう型をありがたく思うために、
制定されたのが、今日という記念日だ。
「しかし、そろそろこの型もガタが来たわね~、
と思い出され、捨てられる日になってしまった。
切なさで、胸が痛むものだな。
-----1月18日
「今日は1月18日、
人の行く手に幸あれと願う日。
「貴方の行く手に、いい事があるといいな。
たまごの中に、
黄味が2つ入ってたとか。
-----1月19日
「1月19日、今日は喉じまんの日。
「誰にも負けない喉じまんになりたいから
わたしもうちのネコにならって、
喉をかかれるとゴロゴロいう癖をつけている。
「しかし人間の喉は、
掻かれるとくすぐったい気持ち悪いものなのだ…
-----1月20日
「今日は男気の日である1月20日。
「男気あふれるというのは、
天真爛漫のように、実は悪口だったり
するのかもしれないと思うようになった。
「これが成長すると言うことなのだろうか?
-----1月21日
「1月21日、今日はキャラメルの日~。
「珍味のお菓子の中に作った空洞の
中に入って酋長に近づき、
親の仇を討った娘の名前がキャラメルだった。
「それ以降、
キャラメルは、孝行娘の代名詞。
「だからほら、パッケージにも
少女の横顔が印刷されているだろう?
-----1月22日
「今日は1月22日、腹痛の日なり。
「腹痛は本当に困り者。
わたしも悪いものを食い、よく襲われる。
「そういう時は、痛みを秘密の小箱にしまって、
それをだんだん海に沈めていく…
というイメージトレーニングをするといい。
-----1月23日
「1月23日、今日は奇数の日。
「世の中の半数もの数が奇数なのに、
何故奇妙な数という名前がついたのだろう?
「世の中の全てのものごとの半数は、
奇妙なものだと暗示しているのだろうか?
-----1月24日
「1月24日、今日はグウタラの日~。
「メリアブールの名君ガルベス三世は、
堂々とぐうたらできる日をつくることが、
かえって生産的だと考えた。
「だが、そう決められると、
ぐうたらしにくいものだな。
「あかたも宿題をしろとおかあさんに言われると
今するところだったんだよーと、
言いたくなるようなものかもしれぬ…
-----1月25日
「1月25日(んち)、今日はクロッカスの日。
「クロッカスの花言葉は、
『あなたを待っています』
「しかし、このような可憐な言葉は
食虫植物の出すあまい香りと同じこと…
ゆめゆめ、そういうコにひっかかるでないぞ。
-----1月26日
「1月26日、わたしの誕生日~。
「今日、わたしは一つ年を取った。
というわけで、今日は皆に祝われる日だ。
「まだ若いから、誕生日が嬉しいというのもある。
だが、おばあちゃんになっても、
わたしは多分、誕生日が嬉しいだろう。
「この世界で長生きするのは大変だから、
誕生日が来るたびに、自分自身の存在は、
だんだんレア度が高くなっていくからな。
-----1月27日
「1月27日、今日は北の日~。
「ひたすらにひたすらに北へ北へと、
歩いていった男がいた。
彼は気がついたら海の上も渡っていたという。
「彼に聞いた海渡りの秘訣は…
なんでも右足が沈む前に左足を出し、
左足が沈む前に右足を出すこと…
「できるかボケと思いつつ、
信ずればやれるのかもしれないとも思う。
わたしは騙されているのか…?
-----1月28日
「1月28日、踊り子の日。
「美しい踊り子の像を作った男…
彼があまりに熱烈に彼女を求めたため、
踊り子の像は血と肉を得ることができた。
「しかし、思い込みが激しい気質の男に、
踊り子はついていけなかった。
ありがちな話だが、人生とは報われぬものよ…
-----1月29日
「1月29日、今日は肉の日。
「ファルガイアには昔、
牛という名の生物がいたという。
「だが、牛は肉が旨い動物だったため、
魔族によって連れ去られ、
彼らの食糧になるべく改造されてしまったそうだ。
「少しくらい残しといてくれてもいいだろうに、
魔族は吝嗇(りんしょく)かつ、無慈悲冷血な奴等だ…
としみじみ思うための記念日なのだ。
-----1月30日
「1月30日、今日は鮫の日~。
「『鮫肌もワサビをすりおろせる』
というのは、
何にでも一つはいいところがあるという諺だ。
「いい諺だ、って?
それはありがたい。
鮫の日である今日にちなみ、今作ったのだ。
-----1月31日
「1月31日、今日は砂海の日~。
「砂海をデューンと名づけたのは、
名づけのプロとも言える職業、
ある産婆さんらしい。
「それゆえ、今日はサンバのリズムに乗って、
砂海を往く船が出るのだ。
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