レイライン観測所
*『レイライン観測所』 …というタイトルが目を引きます。 読みますか? 「ここ、レイライン観測所は、 星を形成するエネルギーネットワーク、 【レイライン】を研究・観測する施設である。 「特務機関によって運営される、当観測所は、 地脈を解析する事で、 星を形成するエネルギーの精製を主目的とする。 「星の形成エネルギーの人口精製の成功は、 人の力による荒野化の抑止、 あるいは、惑星環境の再生の可能性を示唆する。 「我らの汗は大地を恵む雨となり、 我らの労苦は草花を育む光となろう。 「そのためにも、 必ずや研究を実らせなければならないのだ。 |
*『【回覧】3番目の宿直当番へ』 …と殴り書きされたプリントが落ちてきました。 読んでみますか? *今月の宿直当番は4人です。 *当番は、パスワードとして氏名を入力し、 エレベーターを起動してから勤務に就くこと。 *注意事項 *ブライアンはインカピリアに きちんと引継ぎをして下さい。 *最後のベンディックは、ゴミの始末を願います。 *…不明な点はブライアンの前の当番、 ヴァレンティに尋ねて下さい。 |
*『地表下に巡る血管』 …というタイトルが目を引きます。 読みますか? 「惑星ファルガイアの地下には、 星の生命エネルギーを供給するネットワーク… 地脈が血管のように張り巡らされている。 「また、地脈上には、 霊穴と呼ばれる地相の拠点があり、 守護獣神殿の多くは、この上に在るとされている。 「地脈は星の生命エネルギーを流すばかりではなく、 霊穴を通じて、 相互増幅の役割も持っているとも仮定されている。 「このように、地脈と霊穴は、 生体における血管と臓器を思わせるところがある。 「後に、これを端に発して、 星を一個の生命に見たてた 【ファルガイア仮説】が打ち立てられる事となる。 |
*『運も実力のうち』 …というタイトルが目を引きます。 読みますか? 「肉体の頑健さ、 あるいは魔力の高さを誇る者は多いが、 運の強さを誇る者は少ないだろう。 「果たして、 闘いの中で生きる者にとって、 運の強さとは軽視される能力であろうか? 「強力な一撃を撃ち放つ【クリティカルヒット】や、 仲間を守る【ディフェンサー】等、 確率発動するスキルは、運によっての制御である。 「また、一撃で昏倒せしめる敵の特殊攻撃や、 様々なステータス異常を引き起こす特殊攻撃も、 運とスキルによって軽減されるのだ。 「バトルの勝利を収めた後、 敵より回収した宝箱の罠を、 安全に解除する確率も運に起因している。 「およそ、 一度のバトルで行なわれるアクションの殆どに、 運の値は大きく関わっているのである。 「決して、運を軽視する事なかれ。 見えざる手を己がモノとする者こそ、 荒野での勝利者なのである。 |
*『はじまりの物語』 …というタイトルが目を引きます。 読みますか? 「遠い昔、私たち人類の祖先は、 天翔ける船に乗ってこの星に降り立ち、 今日まで想い出を築いてきたと伝えられます。 「ですが、私たちの祖先が、 どこからやって来たのかは 定かではありません。 「そもそも、 この伝承を裏付ける証拠は乏しいため、 半ば、御伽噺めいた扱いをされる事もあります。 「ですが、ある時期を境にして、 私たち人類が歴史上に突然登場している事から、 軽視すべきでないと主張する者も多いのも事実。 「いつか、天翔ける船の謎を解き明かす事は、 人類発祥の謎を解き明かす事だと 私は信じてやまないのです。 |
*『デュランの日記』 …というタイトルが目を引きます。 読みますか? 「…彼女は、昨夜も訪ねてくれた。 僕が思索の迷宮に迷い込み、もがいていると、 いつも手を差し伸べてくれる彼女… 「彼女はいったい何者なのだろうか? …いや、そもそも、 何者であると定義付ける事こそ無意味ではないか。 「論理で縛られないからこそ、 彼女は、彼女であるというのに… 「今や、彼女無しには生きていけない。 彼女無しには、研究が進まない。 手がつけられないんだ… 「僕はもっと彼女を知りたい。 ジェネレイター制御の仕組みを知るより、 僕はいつしか、彼女を知りたいと望んでいる。 |
*『想い出より造られしモノ』 …というタイトルが目を引きます。 読みますか? 「遙か、大戦期からの遺物は、 我ら人類に、 新たな力をもたらす事となった。 「意志の力で活性化し、 人の身の延長として振るわれる機械… 「Artifacts from Ruins Memories 「『遺跡の想い出よりもたらされし技術』 …を意味する言葉の頭文字を、 ひとつに繋げたのが、ARMである。 「狭義では、携行式の機械兵器を指すが、 本来は、広く、大戦期に培われた技術遺産から、 その一部を解析・流用して作られた機械を表す。 「過去から伝わる想い出… それが誰の、何の想い出であるかは、 未だ明らかにされてはいない。 「それでも、現在を生きる我らにとって、 すがるべき【力】である事は、 揺るがぬ事実であるのだ。 |
*『かつて楔と呼ばれし処』 …というタイトルが目を引きます。 読みますか? 「大戦の末期より興った自然原理主義バスカーは、 守護獣の力を行使する秘義の元、 ふたつの側面を設けはじめる。 「ひとつは精神の寄る辺、宗教的な集団として。 もうひとつは、 劣化した惑星環境の最初の修復者として… 「戦火が鎮まって程無くした頃。 バスカーは守護獣の力によって、 ファルガイアの再生を試みたと伝えられる。 「世界を支える力と喩えられる守護獣にて、 文字通りファルガイアを 支えていこうとしたのだった。 「彼らは、地脈の上にある霊穴に、 守護獣を奉じた建造物… 【楔】を建立したという。 「これ以上の荒野化を抑制するため、 打ち込まれた楔は守護獣の力を増幅しつつ、 世界に力を供給していく事となった。 「だが、予想以上に荒野化は著しく、 楔をもってしても、疲弊を停滞させるだけで、 惑星環境の再生までは至らなかったのだ。 「その後、楔は守護獣神殿と呼称を改め、 現在に至るにつれて、 その役割を儀礼的なものへと変えてきた。 「そして、ファルガイアの再生は、 新たな道を探し求めて行く事になる… |
*『忘却の彼方に消ゆ』 …というタイトルが目を引きます。 読みますか? 「人と近しい姿を備え、人と近しい心を持った、 人とは異なる彼の者らを 亜人種と呼ぶ。 「亜人種の名はエルゥ。 その名と姿は、 遙か時に彼方に消え去って久しい。 「亜人種エルゥは、 魔族のファルガイアの侵攻の際、 守護獣を率いて抵抗を繰り返したとされる。 「元来、争いを好まぬ性情の彼らであったが、 刀鍛冶にして剣士であるバシムを筆頭に、 星を守るために立ち上がったという。 「他にも、禁断の秘儀に通じしフルカネルリや、 星を識るブラバツキーらは、 当時の碑文などに勇名を残しているが… 「熾烈を極めた戦いの後、 エルゥたちの行方を知る者はいない。 「一説によると、星の力と大きく関わる彼らは、 星の衰退に伴って、その力を失い、 やがて、絶えていったとされる。 「では、すべてのエルゥは絶えてしまったのか? 「我々には、 その問いにすら答える事はできない。 「歴史の彼方に忘れられし亜人種エルゥ。 我々が彼の者らを思い出す時… それは、この星に緑が甦る時なのかもしれない。 |
*『ファルガイア仮説』 …というタイトルが目を引きます。 読みますか? 「『ファルガイアは、 如何にして、 生命輝く星でありうるのか?』 「この至極単純にして、 難解な命題に対する解答として出されたのが、 【ファルガイア仮説】である。 「ファルガイア上にて、 生命体が存続できるための必要条件は、 生命体自身が調節作用を行う事である。 「全種の生命体が相互協力を行い、 まるでひとつの有機体のように、 惑星環境を制御しているのである。 「驚くべき事に、遺物が混入した場合には、 それらを駆逐すべく、 自浄めいた作用の確認もされている。 「まるで、我らと同様、 生命体そのものである。 「宇宙規模の観点から、 ファルガイアは 一個の生命体とみなされるのである。 「現在、【ファルガイア仮説】は、 さらなる理論体系化が進んでいる。 「星を生命体と捉える事で環境の再生、 つまり、【治療】する計画もあるという。 「今後の研究結果が、 もっとも楽しみなテーマといえよう。 |
*『導きの言葉』 …というタイトルが目を引きます。 読みますか? 「【導きの言葉】… 其は、道を開く魔法の言葉。 「【導きの言葉】… 其は、わたしの名であり、 門を開く鍵となるもの。 「【導きの言葉】… 其は、知恵を頼みに 言葉の海へと沈めば、見失うモノ… |
*『真理が生み出した生命』 …というタイトルが目を引きます。 読みますか? 「情報ライブラリィ【ヒアデス】に収められし、 秘義の数々は、 新たな生命を創造する術を人にもたらした。 「【ゴーレム】。 その名は、【胎児】を意味するという。 「与えられた命令を、 基本となる三つの行動原則にのっとって、 精緻・正確に遂行する鋼鉄の機械―― 「――そう、機械である。 「だが、機械のゴーレムが、 与えられた命令を実行するだけでなく、 過去の記憶と照合し、自己判断を行なうなら… 「それは、己が意志を持つ存在… もはや人格を備えた生命と定義するに 値するであろう… 「生命より生み出された【生命】ではなく、 真理より生み出された【生命】… ――それがゴーレム。 「果たして真理とは―― どこまでもカミに近き存在であろうか? |
*『たゆたう智慧』 …というタイトルが目を引きます。 読みますか? 「最初は、まったくの偶然であった。 「後に最初の委員会を結成する事となる、 その研究者グループは、 遺跡の奥底で【智慧】に接触したという。 「遺跡は、ミーミルズウェルと名付けられ、 そこを拠点として、 【智慧】の解析が始められた。 「【智慧】は、遙かな時代… この星で引き起こされた、 大戦期にまで溯る叡智の結晶と判明。 「その圧倒的な水準と、危険性から、 伝承の存在とされた、 魔族の遺した技術であると結論された。 「魔族の遺産である【智慧】は、 人の記憶領域を模した疑似空間に集積され、 多くの謎と一緒に保存されていたという。 「まさに―― 魔族の遺した【想い出】といえよう。 「研究者グループは記録されていた情報から、 疑似空間に存在する情報ライブラリィを 【ヒアデス】と命名・呼称した。 「ヒアデスと、そこに遺された智慧は、 その後も長きに渡って、 研究グループによって解析される事となる。 「かつては、 星の破壊のために振るわれた力を 今度は星の再生に用いるためである。 「智慧はたゆたうモノ。 その価値と利用法は、 一所に定まるものではないのだ。 |